3月の日経の「私の履歴書」は、住生活グループ前会長の潮田さんだ。
住生活グループという名前は意外と知らない人もいるかもしれないが、
トステム(トーヨーサッシ) と言えば馴染みがあるのではなかろうか。
(のちにINAXと統合。2004年に社名変更している)
本日の話で、以下のようなことが書いてあった。
 
労働組合との交渉が難航し、決裂になるかもしれない局面までいっていた。
そんなとき、団交を前に車から見えたまんじゅう屋にふと立ち止まり、
まんじゅうをたくさん買い込んで 交渉に臨んだエピソードが紹介されたいた。
結局、そのまんじゅうを「まずみんなで食べよう」という一言から、
局面は一気に打開へ道開いていく。
 
そのときのことを、こう書いている。
 
「まんじゅうを買ったのは策略でも何でもない。
湯気を見て、なぜか組合員の胸の内を想像し、
かわいそうだな(会社がぶるれたら、組合員も困るだろう。自分と同じように苦しんでいる)
と感じたのである。」
 
→ この言葉は本当だと思う。
心底にある純粋な気持ちと、そして真正面からぶつかる迫力をもってことにあたり
その上で、苦しんで、苦しんで、もがいているとき、新境地がはたと見えてくる。
そんな光景が、映画を見えているように文字から透けて見えた。
 
こうも書いていた。
 
「五日ごとの手形決済を綱渡りで乗り切るうち、だんだんとピンチ慣れというのか、
精神的にたくましくなった。
団交を乗り切れたのも、苦しんで苦しんで、苦しみ抜いた結果、
人を率いる魅力ができたからだと思う」
 
→  人を率いる魅力。
これは、経営者にとり備えるべき必須の条件である。
そのためには、経験しかない。いくら本を読んでも、それだけではダメである。
そう、最近改めて感じていた矢先だった。
自分は、上記のような潮田さんの経験に比べて、まだまだ苦しみが足りない。