このことは ブログに書くかどうか  悩んでいたのだが、
彼(息子)が 大人になっていく過程で 父親の想いを目にする機会が
あることを考え、
そして社員へのこれまでの配慮不足への自戒の意味も込め
記載することにした。
 
息子は現在、小学6年生。
この春から中学生である。
 
彼は、5年生から自分の意思で塾に通い始めた。
親から、一切「中学受験しろ」とは言ったことは無いにも関わらず。
やり続けている剣道だけは、塾に行っても続ける約束だけはさせた。
 
6年の後半になると、週に4日は片道1時間電車を使い、
夜23時の帰宅というスケジュールで通っていた。
不思議なことに、嫌々ながら行く気配は全くなく、
むしろ楽しそうに出掛けていた。
 
変わった奴だな? と遠目で見つつ、塾での試験の結果に目をやると
なんか それなりの成績を残している。
ん? もしかして、それなりの学校に行くのか?
と微笑ましくも感じていた。
 
そして、受験。
それなりの名が知れた学校に合格した。
 
丁度吉報を聞いたのがヨーロッパ視察中であったが
一人、ホテルの部屋でワインを開けて祝杯した。
 
問題は ここから。
当然、合格した学校に行くかと思いきや
「地元の中学校に行きたい」
と言い出した。
これには参った。
 
地元の中学校は、今でこそ落ち着いているようだが、
一時期は結構荒れている学校として県内でも有名になったこともある。
自分くらいのやんちゃさがあれば、その中でも それなりに同級生と楽しい学生生活を
送るのだろうが、彼の場合 非常に心配である。
性格が大人しい方で、昼休みには図書室に行って本を読んでいるような少年。
将来にどういう職業に就くかは別に本人任せでいいと思っているが、
今話題になっている いわゆる ”いじめ” に合うのか気になって仕方なく
そういう観点では、地元以外の学校に行くならいいなとは思ってはいたから。
 
両親はもちろん、祖父、祖母まで せっかくの切符を無駄にするなと
彼をいろんな角度から説得を試みたが
頑として自分の意思を通した。
 
おや? あいつ 意外と頑固だな。 結構、芯が強いんだ。
と 嬉しい気持ちも覚えつつ  やはり心配。
入学手続き締切日に、もう一度朝 じっくり話をした。
やはり 結果は同じだった。
彼の地元を選ぶ理由は 「今の友達と中学までは一緒に居たい」
まあ 判断基準が 子供らしくて それで いいのか? と随分迷ったが
一人で
最終的にもとは
「これからの中学生活を 応援するから、頑張れ」
と 声をかけた。
 
将来の自分の冠より
友達との絆を選んだ  その判断基準 も 悪くないかな と親として思ったりした。
 
 
3歳くらいだったろうか、私が隣の家の犬と朝ランニングを日課にしていた頃、
息子は歩くの嫌がって、抱っこをせがんでいた。
私は、突き放していたが、そのたびに彼は号泣。
そんな彼が、今、自分の意思で 将来の人生を左右する決断をしている。
「友人と一緒にいたい」という判断基準の良しあしはあるが、
(小学校の友人とは、別に他の中学校に行っても、大人になってからも
親しく付き合えるから)
自分で自分の人生の岐路を決断しようとした姿勢を尊重した格好だ。
最近、妹が彼に向って
「私は、お兄ちゃんと違って、勉強して地元でない学校に行くからね!」
と何かの拍子に茶化していたが、
彼は  「お前も、そのときになったらわかる。相当俺も悩んだんだから」
とポツリ。
決して、無駄な受験ではなかったようだ。
 
子供のことで ここまで神経をすり減らし、エネルギーを使うとは思ってもいなかった。
今年のはじめ、中学学生時代の先生とゴルフをした際
「子供の年齢とともに、子供への悩みは大きくなっていくぞ」
と言われたことが 思い出された。
そして次に思ったのが
「同じように 自分の子供のことで 悩んでいた 社員の存在」 だった。
気をかけなさ過ぎた。これまで。
申し訳ない気持ちでいっぱい。
遅きに失したが、これから できるだけケアをしていきたい。